落書き
□ひなたぼっこ A
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「あら、ねぇ、ツッ君どこにいるか知ってるかしら?」
自分の部屋にもいないのよね、と奈々が居間で遊ぶフゥ太達に声をかける。
「ツナ兄なら…縁側だよ。バジル兄と一緒に」
「あら。何してるのかしら?」
答えを聞いて奈々は縁側へと足を進める。
「ツッ君…ちょっと……あらあら…バジル君まで…ふふっ…」
縁側に向かい声をかけるが2人の様子に声を落とす。
まだ暖かいから大丈夫かしらね…そんな事を考えながらも奈々は嬉しそうに、薄手の毛布を一枚持ってきて2人にかけた。
ただ柱があってちょっと邪魔だったからくるむようにしてかける。
「ツナ兄、バジル兄そろそろおやつの時間だよ!起きて!」
しばらくして、3時のおやつに起こされて自分達の状況を把握するのに少し時間がかかった。
オレは急に立ち上がろとして毛布につまずいた。君は恥ずかしがって毛布に顔をうずめて紅くなる。
「なんか…気持ち良さそうだね」
フゥ太が素直に意見を述べる。
「はい…今度はフゥ太殿も、一緒にひなたぼっこしましょうね」
バジル君まだ少し赤い顔のままそう答えると、フゥ太も嬉しそうに返事をする。
「うん!」
毛布をたたみながら君は笑う。
オレもまたしたいななんて言葉はこっそり胸の奥にしまう。
「これ、かけてくれたのもフゥ太殿ですか?」
「違うよ。多分、ママンだと思う」
「母さん?」
「え?…起こして頂いてよろしかったのに」
食卓へ向かうと母さんは夕飯の下準備をしていた。聞けば、
「だって、2人とも凄く幸せそうだったんだもの。年の離れた兄弟も良いけど、年の近い兄弟も良いものなんだなって思っちゃった」
何だかとても楽しそうな母さんの笑顔。
ちょっと気恥ずかしいけど。
君と一緒のひなたぼっこも悪くない。
了