落書き

□白と黒
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すいません、その時書いたまま載せます。

【白と黒】



あれから7年イタリアにある有名なマフィアのボス候補として一人の青年…沢田綱吉は与えられた一室で思い悩む。

「バジル君…オレ…」
一緒にいたパートナーに迷うように言葉を吐き出して近くにあったソファーにゆっくりと腰を掛ける。
「沢田殿…」
心配そうに綱吉に視線を移して次の言葉を待つ。
「オレ…どうしたら良いのか、わかんないよ…」
顔を俯いたまま自分の思いをそのまま吐き出して、複雑な頭の中を無理に整理しようとする。
「あまり…一人で思い詰めては駄目ですよ」
笑顔で綱吉を癒やすように隣に座って独り言のようにバジルはそう言って。
(この方は未だにこんなに綺麗なのだろう。まるで純白。)
そう思うとバジルは自分がひどく汚れて感じる。
(では、拙者は黒でしょうか。闇夜のように)
「だけど…こんなの…」

急に顔をバジルに向けて綱吉は反論しようと絞り出すように声を出す。
その綱吉表情にバジルはハッとして我に返る。
(この方がこのように拙者に接して頂ける事が嬉しいと思うなんて)
そう思いながら安心させるように目を伏せて自分にも言い聞かせるように話し出。
「沢田殿。大丈夫ですよ。おぬしは一人じゃありません」
自分に向けられた言葉と笑顔に綱吉は心が軽くなる。
(何があっても君は強い、汚れを寄せ付けない白、白銀)
「…ありがとう」
そう言ってそっとバジルに身を寄せる。
(そんな君を汚したいオレは黒、漆黒)

白と黒は混ざらない。どちらもあって当たり前。どっちもあるから丁度良い。
白と黒の間は甘くてとろけそう。




 
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