Original Novels
□幼なじみより強い絆を……
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「お、おっぱいは世界を救うんだよ! ……はぅ」
生徒会室の中心。置かれた長テーブルの上に立ったはつかが、胸を張ってそう言った。
はつかの顔は、羞恥心からか、少し赤く染まっている。
「「ぶっ! あっはっはっは!」」
そんなはつかの姿を見て、俺の隣に座るファンタとジアが、腹を抱えて大爆笑し始める。
「わ、笑うんじゃないわよっ!」
「ははっ。いや、悪いな会長」
「申し訳ありませんね、はつかさん。あなたの姿があまりにも滑稽――こほん、面白かったので」
「今滑稽って言ったでしょっ!? こんのファンタジアコンビが!」
「「誰がファンタジアコンビだっ!」」
パイプ椅子から勢い良く立ち上がって、はつかに抗議する二人。
「それにジア。あんたたちの今の姿の方が滑稽よ!」
「な、なんですって……」
「会長、今さらりとオレのこともディスったよな?」
はつかが言うファンタジアコンビの格好とは、現在二人が身に着けているコスプレのことだろう。
二人の今の服装。それは、RPGなどに出てきそうな、勇者とナースのような格好だった。
たしかに、この二人はハーフだけあり、日本人離れしたその容姿に現在のファンタジックなコスプレは気持ちが悪いほど似合う。
それでも、日本のどこにでもあるような公立高校の生徒会室には、あまりにもミスマッチすぎだ。
「大体、私はこのようなコスプレ、したくてしているわけではありません!」
「ジア、違うぞ。「私は」じゃなくて「私たちは」だぞ?」
「金髪勇者は黙っていてください」
「酷くねっ!?」
しくしくと、涙を流すファンタ。
俺は、仕方ないな、と一つ嘆息し、口を開いた。
「……お前ら、今日は喧嘩しないんじゃなかったのかよ」
「「…………」」
そうして、俺たち桜花高校生徒会のクリスマスパーティーは再開した。
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