(緊急避難)
第37条
1項  自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
2項  前項の規定は、業務上特別の義務がある者には、適用しない。

□ 危難の現在性
1)田植え後10日ないし12日であり,豪雨のため稲苗が枯死するに至るおそれがあるときは,現在の危難があるということができる(大判昭8年11月30日)。
2)列車乗務員がトンネル内を通過するに当たり,トンネル内における熱気の上昇,有毒ガスの発生等により生命身体に被害を受ける危険が常時存在する場合は,現在の危難に当たる(最判昭28年12月25日刑集7−13−2671)。
3)村所有の吊り橋が腐朽して危険になったとはいっても,人の通行には差し支えが無く,重量制限違反の荷馬車の通行もまれであった事情の下では現在の危難ありとはいえない(最判昭35年2月4日刑集14−1−61)。

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