Thank you! CLAP★★
Love again 番外編
-バーテンロックの想い-【1】
午後5時。日も暮れ出してちらほら客が入りだした。
俺は客が入ってくる度に反応して入口へ目をやりそして落胆する。
いや、こんな早い時間に来る訳ないのに分かってるのに確認する動きを止められない。
早く来ないかな……。
先週セリスと2年ぶりに再会した。
それからセリスは毎日のようにこの店にやってきてくれる。
姿を見付けた瞬間、雷に撃たれたかの衝撃が体中を貫いた。
2年もの空白がまるでなかったかのように
消えてしまったと思っていたセリスへの恋心が胸の中で燃え上がった。
なんて綺麗になってしまったのだろう。
以前の少し少女の面影を持ちつつも大人への階段を駆け上がろうとしていたセリスとは様変わりし
一人の大人の女性として俺の目の前に現れ一瞬にして心が奪われた。
当然と言えば当然なのかもしれないが男連れだった。
あんなにいい女なんだから当たり前だ。
セリスは仲間だと言っていたが男のセリスを見る目は明らかに女を見る目だった。
二人の親密な様子を見れば仲間以上の関係だと言う事は分かる。
2年という時間が感じられた。
俺の知らない男と笑い合うセリス。
俺の知らない世界へと行ってしまったのだと思った。
たまらないほどの嫉妬心が渦巻くのを感じる。
一時はいい関係を築けていたと思う。
全ては自ら撒いた種なのだ。
レイチェルとの過去への決着を付けなければならないのに自分の都合でセリスを随分と振り回してしまった。
2年前俺について来れないと言ったセリスは当然だった。
レイチェルとの事が決着したと同時に俺とセリスも終わった。
始まってもいなかったかもしれないが。
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〜あとがき〜
あまりにも話が長かったので拍手しずらいと思い
お話を切りました。
拍手ありがとうございます!!