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ひまわり畑でつかまえて
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ひまわり畑で
つかまえて







「暑いわねぇ」
「ホントね」


ティナと私は恒例の3時のティータイムを楽しんでいた。
世の中夏真っ盛り。外は拷問のように暑い。
飛空艇のリビングで涼みながらゆっくりとアイスティーを飲む。
カラカラの喉が潤っていく。
ティナがアイスティーをストローでかき混ぜた。
氷と氷が軽くぶつかり合う音がカランカランと爽やかに聞こえる。

そんな時ティナが口を開いた


「最近全然ロックってば遊んでくれないし……凄く寂しいの」
私のクッキーを掴んで口へと運ぶ手がロックという名前に反応して止まる。
「へ……へぇ……確かにロック、瓦礫の塔の調査で忙しいみたいよね」
「……そうなのよ」


話を進めるうちにティナはみるみる悲しそうになって俯く。
何故ロックに構ってもらえないからってそんな表情をするのだろうか?
(ま……まさか)
嫌な予感が頭の中を過り、それを確かめるために口を開く。


「……ティナ……もしかしてロックの事好きなの?」


恐る恐る様子を伺うように問いかける。
一瞬の間の後ティナが顔を上げた。



「うん……私ロックの事好きよ」



お茶を楽しむ私とティナの間の空気が凍り付いたような気がした(セリス比)
ティナがロックを好き?混乱してるとティナが更に言葉続けた。

「だからセリスも私とロックの事協力してくれない?お願い!」
(えっ!!!協力?!!!)


戸惑う私にティナが全世界の男がノックアウトしそうな可愛い表情で
両手を前で合わせ片目を瞑りながら懸命に私に縋る。
「ねっ?お願い!」
その勢いに押されて思わず「……う……うん」と頷いてしまった。

「ありがとーセリス!!」

ティナは嬉しそう私の手を握って感謝の意を表した。
強引に作り笑いをした私は頬の筋肉が引きずっているとハッキリと感じる。





私もロックが好きなのに――。
ああ……なんで言わなかったのよ!!私のバカ!!






後悔しても後の祭りだった。









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