Novel

Love again -scene 3-
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Love again
〜scene 3〜








もうロックに会いに行くことはできなかった。
彼女と一緒の所を見ることが耐えられない。
そして………これ以上ロックを好きになりたくなかった。
手遅れのような気がしてもこの想いに抵抗するしかなかった。





毎日仕事帰り、酒屋の前を通り過ぎる度足が止まる。



――――ロックに会いたい……



顔が見たい。声が聞きたい。話がしたい。
駆け出して酒屋に入りたい想いをグッと堪え
そんな叶わぬ思いを胸に秘めたまま酒屋を通り過ぎる日々が続く。

毎日……毎日ロックの事で頭を支配されて気が狂いそうだった。



会いたい…会いたい。



泣きたくなる想いを必死で我慢する。
泣いてしまったら墜ちるところまで墜ちてしまいそうだったから。
これ以上苦しくなりたくなかった。











仕事後アルフレッドに飲みに誘われたが酒屋には行けないのでカフェへとやってきた。

人と話すと気が紛れる。
頭の中の問題が解決出来るわけではないが
一時でも少しでもロックの事が頭から切り離せるからよかった。
そのはずだったのに――

「最近そーいやロックさんのとこ飲みに行ってないみたいだけど?なんで?」
パスタを食べてる私にそんな事を聞いてきたので思わず噎せそうになった。
「え…?あ……何か毎日お酒飲むのってどーなのかなって今は止めてるの」
馬鹿みたいな言い訳に自嘲してしまう。
(ロックに会いたくない……ただそれだけなのにね)
「ふーん…そっか…」
そういうとそれ以上追及せず軽く微笑んでくれた。


あまり突っ込まれなくてホッとする。
ロックの話題をこれ以上すると胸が痛み出して耐えられなかったから。
ただでさえちょっとロックの名前が出ただけでこんなに体中の血が騒いでるのだから。


(ホント重症だな……)


どうしようもない自分に小さく溜め息を吐いた。





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