Novel

Love again -scene 2-
1ページ/8ページ




Love again
〜scene 2〜







ロックと視線を交わらせたまま何も言葉が出なかった。
向こうも同じみたいで固まったままこちらへ視線を向けていた。
まるでそこだけ時間が止まってしまったかのように。


「セリス!」


ロックから声をかけられハッとする。

昔と何も変わっていない……大好きだった声。
ロックは視線をこちらに向けたままカウンターの向こう側からぐるっと廻ってこちらへやってきた。
心臓の鼓動が駆け足で速まるのがわかる。
目の前に来ると嬉しさと驚きの混じった笑顔になった



「どーしたんだよ。こんなとこで。久しぶり!」



大好きだったロックの笑顔が今正に目の前にある。
記憶してる姿よりも大人っぽくなっていて
かっこよくなってる気がする。
心臓が壊れそうなぐらい速まってて直ぐに言葉がでない。
明らかに動揺している。


(な……なに動揺なんてしてるのよ。昔の仲間に再会したぐらいで。普通にしたらいいのよ)


「久しぶり。今日この町にやってきたの」
「しばらくここにいるのか?」
「うん…祭の間はここで警備の仕事するつもり」
「そっか〜」
「ロックはここで働いてるの?」
「トレジャーハントが一段落したからバイト代わりにな」
たったこれだけの会話なのに息切れしそうになる。
「飲んでくんだろ?カウンター空いてるから来いよ」
「あ……連れがいるの」
そうアルフレッドの方へ視線をやると調度会話が一段落したのかこちらへ戻ってきていた。
「セリス!…ん??」
ロックの姿を見付けて少し顔を傾げた。
でも直ぐにロックを店員さんと判断して


「2人席空いてた?」


そう私に聞いてきた。ますます動揺する。
気にする必要なんてないのに男の人と二人で飲みにきたのをロックに見られて焦ってしまう。
………なぜ?
「……旅の仲間?」
ロックが私にそう聞いてきたので落ち着いて話した
「あっ……ううん。仕事仲間かな。アルフレッド」
そう言いながら紹介する。
私とロックの様子を見て
「知り合い?」
アルフレッドがロックに軽く視線を向けて言った。
「あっ……うん。前に言った事あるでしょ?ケフカを倒したって。その時の仲間のロック」
今度はロックをアルフレッドに紹介する。
「あっどうもアルフレッドです」
アルフレッドが頭を下げたのでロックもつられて頭を下げる
「どうも…ロックです。2人席だよな?ちょっと待ってろよ」
ロックが客席にいた店員に指を2本出してジェスチャーで席が空いてないか問う。
店員が指で丸を作った
「空いてるって。ゆっくりしていけよ」
「うん…ありがとう」
心臓の鼓動は速まったまま治まるところを知らなかった。
アルフレッドがロックに軽く頭を下げて席へ向かったので慌てて追い掛ける。
振り返ってロックを見ると名残惜しそうにこちらを見ていた。


もっと話がしたい。


そんな想いに駆られている自分に気が付く。


(何考えてるの?……久しぶりだからって!)





NOVEL ROOM TOPへ
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ