Novel

Love again -scene1-
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Love again
〜scene 1〜








(疲れた…。)



長い坂道を登り切って山頂まで到着した私は、
崖の側に背負っていた大きなリュックを置きながら腰を下ろし、
そこから地上の景色を眺めた。
遠く小さく見えるサウスフィガロ。
今回の旅の目的地だ。

喉が乾いたのでリュックの中から水筒を取り出し蓋に水を注ぎ込み口に含む。
喉が潤うと後ろに置いてあるリュックを背もたれ代わりとして凭れかかった。




今私は一人で旅している。

ケフカを倒した後皆それぞれの地へ帰り着いた。
私はシドと共に住む為に孤島へ戻った。
しばらくは二人で孤島暮らしだったが何かと不便だったので
近くのアルブルグへ引越してそこで暮らしていた。
暮らしは苦しくしばらくアルブルグで懸命に働いた。

暫く経ち生活も安定してきたので
世界をもっと知りたい……そういう願いを込めてずっと希望していた旅にでることにした。

というわけで今現在は旅をしながらボディガードなど短期に働いてその資金をシドの元へ送金している。
私は今まで戦う事しか知らない。
旅を通じて色んな事を学びたいと思っている。




今回はドマからサウスフィガロへ向かっている。
届け物を頼まれているからだ。
ついでにしばらく滞在して働こうかと考えている。

呆然とサウスフィガロの町を見つめた

――色々と想い出のある町だ。
私が帝国の残虐な行為を許せなくて裏切った町。
そして――ロックと初めて出会った町。



(ロック……元気かな……)



ロックとはもう2年ほど会ってない。
ケフカを倒して――それ以来だ。
どこで何をしてるなどといったことも知らない。
時々、世界中を飛び回るセッツァーに会って他の仲間の事を聞いたりしているがロックの事は聞かなかった。
聞いてしまうと気になってしまいそうだと思ったからだ。
忘れてしまわなければいけない人だったから。




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