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Drug of LOVE【後編】〜 episode1 モテる男はつらいぜ〜
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Drug of LOVE
【後編】

episode1
〜モテる男はつらいぜ〜









セリスは驚いた表情のまま硬直している
「いや…あの…これはだな…」
混乱する頭の中で一生懸命言い訳を模索する。

「……私も片付け…手伝おうって思って…」
衝撃のシーンを見て呆然としているセリスからこぼれる言葉。
一生懸命セリスに話そうと口を開いて、でも上手く話せない俺を他所に
ティナは俺の首に手を回したままでなんと頬を寄せてきた。


「ロック……ねぇ〜キスして

な……なんてこと言うんだ〜〜ティナ!!!!!


俺の頭は混乱マックス状態。
「ちが……これは……セリス!!」
そんな俺の言葉を無視し、セリスは顔を俯かせると


「邪魔して……ごめんなさい……」


静かにそう言って扉を閉めて出て行った
悪夢だ!!悪夢と言ってくれ!!
ティナを強引に引き剥がすとすかさず
「セリス!!!」
そう追いかけようと駆け出した。が、すぐにティナが俺の腕に自分の腕を絡ませた


「いや!どこ行くの?ここにいて。側にいて」
「ごめん!ティナ……俺セリスに誤解を……」
「セリスのところにいくの?私を置いて?!!」


ティナの声が悲壮な叫び声になっていた。
それでも俺はセリスの誤解を解かなくてはならない。

「悪いけど俺は……セリスが大事なんだ!!」

そうだ。俺にはセリスしかいない。他の誰でもダメなんだ。セリスでなきゃ。
再び気持ちを再確認する俺にティナの表情が怒りでみるみる赤くなっていった。
「私よりセリスなんかの方がいいわけ?!」
ティナの握る拳が震えている。
つーかセリスなんか…って…。女の嫉妬の恐ろしさを改めて知る。
目が完全に吊り上がっていた。こえ〜!!
「い…いや…その…」
落ち着け!落ち着け!と両手を前に出してティナを制そうとするが時既に遅し。
ティナの体が薄く光りだした。

ま…まさか…ティナちゃん…?
「ロックをセリスに渡さないんだから!!」


ティナトランスモード突入!


「ま・じ・で・す・か〜〜〜??!!!!」



やべ−!殺される!
恐怖にかられた俺は部屋を勢いよく出てセリスが走って行ったと思われる方向へ
ほぼ勘で走り出した。


「ロック!!逃がさないわよ!」


バン!と凄い音を立てて扉が開いたのを感じたが振り返る余裕はない。
セリス!!どこだ!!
このままじゃティナにセリスまで手を出されちまう!俺が守らないと!




 

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