スパイラル〜another〜

□切ない別れ
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喪服、或いは制服を身にまとった人間がそこにいた。人数は数える程しか居らず、しかも大半が神妙な顔向きながらも少年少女である。

「驚いた?」
「えぇ、少し」
歩君、と名前を呼ばれ、振りかえると落ち着いた女性。
見覚えのあるストレートの黒髪は、風に合わせて流れていた。
「蒼香ちゃんね、親友だった子が死んじゃってから、周りを避けるようになっちゃったの。だから・・・」「あ、すみません。俺の友人が勝手に」
「いいのよ、あの子、賑やかなのが好きだから。きっと喜んでくれるわ」
そう言って彼女は空を仰いだ。
太陽を愛しむように。
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