スパイラル〜another〜

□平行線、地平線
2ページ/8ページ

「何ですか?」
ため息混じりに聞こえたその声は、綺麗だった。
私は、不覚にも、見惚れてしまった。

「うぉー、ちょっと待ってってー」
再び閉めようとする少年に、必死に制止の言葉を掛けた。

「さっきのピアノ、君?」「そうですけど?」
ため息と、呆れ顔が妙に似合うなぁ・・・じゃない!「もう一回聞かせて!」
「駄目ですよ。」

あっさり断った彼の瞳には、微かな光と闇が住んでいた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ