ハイキュー!!

□目は口ほどにものを言う7
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「なまえちゃんってぜんっぜん自覚無いけど、結構モテるんだよ〜?」


目の前で仁王立ちする及川先輩が言わんとしていることはなんとなく分かった。


「早くしないと、誰かに取られちゃうかもね〜?」


いつもの飄々とした表情の中にある異質なもの。

それは、眸。

及川先輩がなまえを妹のように思っていることは知っていた。


―――つまりだ


【俺の大事な妹のように思っているなまえを大事にしないと・・・もうトスあげないよ?】






言われなくても分かってる。




でも、どうしたって、なまえの方が聞いてくれないんじゃ、どうしたらいいんだ。








目は口ほどにものを言う7








なまえと話さなくなって2週間たった。

及川さんの話によると、なまえはもう俺と別れたといっていたらしい。

今のこの状況は、別れたことになるのだろうか。


電話もメールもメッセージも返ってこないから、送るのをやめた。

やっぱり、直接話さなければ。

そう思うのに、いつまでも距離は縮まらない。


同じクラスの男子と話をしているだけで目を背けてしまうのに、なまえは気づいていない。

もう、その瞳に俺を映すことは無いんだろうか。
















及川さんがくれたチョコとキャンディを、あの日から1つずつ食べている。

ちょうど10個あったカラフルなお菓子たちはあと3つになってしまった。

あと、この3つを食べきったら、


国見のことを好きな気持ち、おしまいに出来るかな?


なんてね。


「なまえこれどうしたの?」

「これ?」

「そ。まさか、ラブレター?」

「え!?そうなの?」

「まだ見てないの〜?見ちゃお!」

「あ、こら!」


朝、下駄箱に入っていた手紙。

白い封筒に、隣の隣のクラスと男の子の名前。

確か、委員会で一緒だった男の子だ。


「今日の昼、一緒にごはん食べませんか?だって。」

「もー。なんで見ちゃうの?こら。」

コツンと軽く頭をたたくと、友人は悪びれることもなく手紙をバシバシとたたく。

「で、これどーすんの?」

「・・お昼ご飯食べるだけでしょ?」

「甘い!甘すぎる!あんたには国見がいるでしょ!」

「・・・。」

「黙ってもダメ。今から断りに行こう?ちゃんとしないと、ね。」

腕を引かれて立つように促されるが、私は立たなかった。


「なーにしてんの?」

「「及川先輩!!」」

廊下側の席だから、ドアのところにいた及川先輩とすぐに目が合った。


「なになに?なまえちゃん呼び出し〜?」

「違います!どっか行って!岩泉先輩とチェンジ!」

「ぇえ!?」

「おい、クソ川!」

「げっ!岩ちゃん!」

「岩泉先輩ー!こんにちわ!」

「おう。ちゃんとメシ食ってるか?」

「はいっ!先輩のおかげです!有難うございました!」

「うわぁ〜、俺のときと明らかに顔が違う〜!」

岩泉先輩に頭をグリグリと撫でられる。

あー癒されるわ〜。

岩泉先輩に甘やかされるのは好き。

思わず顔もほころぶ。

ふにゃりと笑う私に先輩方はホッとした顔を見せた。

「良かった。ねぇ、今日一緒に学食いかない?奢るよ?」

「ちゃんとメシ食ってるとこ、見たいしな。まだ1人前は食えねぇんだろ?」

「!
ほんと、よく見てますね。叶わないなぁ。

でも、岩泉先輩とご飯なんて、光栄です!是非!」

「また俺無視〜?」

3人の仲良しトークにビビリ気味の友人も誘い、お昼は4人で食べることになった。


お昼に、隣の隣のクラスに行って、手紙の男の子には約束があるからとお断りしてすぐに学食へ急いだのだった。














「国見ちゃんがしっかりしないなら、及川さんが取っちゃうよ?」


昨日言っていた及川さんの言葉通り、なまえに会いに来た。


少しの危機感と、久しぶりに見たなまえの笑顔と笑い声に足がすくむ。


深く溜息をつく。


挑むように見つめる視線に気付き、目を向けると、及川さんと岩泉さんがこちらを見ていた。

















「ねぇ、岩ちゃん。」

「なんだ、クソ川。」

「国見ちゃん、火ついたかな?」

「どうだろうな?」

「俺たち良い先輩だよね?援護射撃なんて。」

「・・・お前は役に立ってないけどな。」

「岩ちゃーん!ひどーい!」

「うるせぇ!」


(20141105)


 

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