ハイキュー!!

□happy birthday〜孤爪研磨の場合〜
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私の彼氏様は、彼女よりゲームが大事なようです。






ハッピーバースデー!
孤爪研磨の場合






「ねー、けーんーま!アップルパイ!冷めちゃう!」

「待って、なまえ。もうちょっと。」

「もー!さっきからそればっかり!」

最近お付き合いを始めた研磨と私、みょうじなまえは、ただいま研磨の部屋でまったりとした時間を過ごしていた。

今日は研磨の誕生日。だから、朝からはりきって研磨の好きなアップルパイとプレゼントをもってやってきたのに、ずっと、ゲームばっかり!!!

怒ってます!

なまえ、怒ってます!





私たちが付き合い始めたきっかけは、先月のこと。

たまたま教室で、委員会に出席している友達を待っている時だった。

いつも一緒に帰る友人とケーキバイキングに行くつもりで、その友人が急遽委員会の呼び出しがあり、すぐ終わりそうなので教室で待っていることにした。

窓際の席にテキトーに腰掛け、もう秋になるなーって風を感じるように目をつぶった。

私は、そのまま寝てしまった。

起きてと揺り動かされ、うっすらと目を開けると、孤爪君がいた。

「ん?ここ、こつめの席?」

「いや、…違うけど。」

バレー部のジャージを着ているため、部活の途中だろうと思われる。

「なんか、邪魔した?」

「…そう、でもない。」

「え?なに?なんかした?」

「…みょうじが、好きなんだけど。」

私の頭は寝ぼけているのか、ボヤボヤした頭で認識しようとすると、どうやら告白されているようなのだが?

私は目をまん丸に見開いて孤爪を見た。

「わたし、何か好かれるようなことしましたっけ?」

今度は孤爪が目をまん丸に見開いた。

「覚えて、ない?」

「何を?」

「夏休み、タオル、…貸してくれた。」

孤爪の手には、そのとき私が貸したタオルが握られていた。

返してくれるのかと思いきや、握ったままで、こちらを見ていた。

「あー。それだけ?」

「…きっかけは。」





たしか・・・

私は記憶をたどった。

夏休みの部活でドリンクが切れたので補充しようと流しにいったらバレー部が先にいた。

私に気づいた3年生が

「使って。」

と場所を開けてくれたので

「ありがとうございます。」

と言って利用させていただいた。

「あれ、…みょうじ?」

「あ。こつめバレー部だっけ?」

「うん。」

今年に入り同じクラスになった孤爪研磨は席が前後でプリントを配る時に少し話す程度の仲だった。

「ってか、びしょ濡れだけど、どうしたの?」

「・・・クロにやられた。」

孤爪の目線の先をたどると、奥の蛇口で他のバレー部の人が水をかけあって遊んでいた。

「こつめー!」

手招きして呼ぶと素直に近寄るので、私の首にかけていたタオルを使って拭いてあげた。

わしゃわしゃと頭を拭いていると、手首を掴まれ静止される。

「あ、ごめん嫌だった?」

「違うけど…。」

「じゃあタオル臭いとか?」

「うん?…いい匂いだけど。」

「ん?」

「あんまり、こーゆーの…男にやらない方がいいと思う。」

「ん?そうなの?」

「…うん。勘違いするから。」

「そう。じゃあ、孤爪にしかやらないね。」

にっこり笑って孤爪を見ると、タオルで顔を隠してしまった。

「良かったらそのタオル使って?まだ部活あるでしょ?じゃあ!」

なんだか居心地が悪くてスクイズボトルを抱えて部活へもどった。



・・・そのことだろうか?

「えっと。ごめんなさい。孤爪のこと、そういう風に見たことない。」

「…うん。そういうと思った。だから、これから、そういう風に見て?」

と言って、孤爪の顔が近づいてくる。

びっくりして、反射的に目をつぶった。

唇の横にチュッとリップノイズをたててキスをされる。

私は顔がみるみるうちに赤くなるのがわかった。

「口にされると思った?」

耳元で囁かれた言葉は扇欲的な甘美な響きだった。

「・・・嫌だった?」

不安げな孤爪の顔を見てハっとする。

嫌だったどころか、口にじゃなくてがっかりしている自分に気づく。

口をパクパクと動かし、恥ずかしさでなかなか次の言葉を紡げないでいると、孤爪は笑った。

「なまえ、俺と、付き合って。」

「〜っ!!」

苦し紛れに、孤爪の腕を引いて、私からキスをした。

唇が離れると、真っ赤な顔で唇に手を当てる孤爪がいた。

「・・・研磨、もう一回する?」

私は、わざと上目遣いで孤爪研磨を見た。

研磨は、目が泳いで、ちらりとこちらを向き、視線を外しながらコクリと頷いた。

今度は研磨からのキスだった。




そんな素敵な始まりでも、慣れてしまえばぞんざいな扱いを受けるのである。


「けーんーま!アップルパイ!」

「…わかってる。」

「もう!いい!先に食べちゃう!」

我ながら上手にできた手作りのアップルパイ。

1番に食べて欲しい人はゲームに夢中で構ってもくれない!

こうなったら全部食べてやる!

「あー、おいしい!」

「え?本当?」

「でも、研磨は食べないんでしょー。」

「食べるよ。」

「あげない。」

「えー。…勝手に食べるからいい。」

不意に顔の前に影ができる。

驚く間も無くキスをされた。

「ほんとだ、…美味しい。」

研磨は、ペロリと自分の唇を舐めた。

さて、おいしかったのは、アップルパイか、なまえの唇か。

「〜っ!研磨!」

私の持っていたフォークを奪い、一口食べてまたゲームに戻ってしまった。

「〜っ!


研磨、もっとちゅーしよ?」

耳元で甘えた声で囁くと、研磨はゲーム機を落とした。

「よし!はい!アップルパイ!食べて!今!すぐ!」

頬を赤く染めたまま、おとなしく研磨はアップルパイを食べるのであった。



ハッピーバースデー!研磨!





(20141016)



 

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