ハイキュー!!

□第四話
1ページ/1ページ






俺の親友はクールでかっこいい。

それは自慢だし、何より、傍にいられることが嬉しかった。

そんな親友が見せる初めての表情に戸惑いを隠せなかった。

長年一緒にいたけれど、そんな顔初めて見たよ。





〜Love me tender〜





飲み物を買ってくると言って出て行ったきり15分戻ってこない。

いつもなら5分くらいで帰ってくるのに。

昼時はどうしても混み合うだろうから仕方がないのだけれど、少しさみしい。一緒に行けばよかった。

教室のドアをチラチラと見る。

やっと、視界の端に金色の髪の見慣れた姿をとられることができたため、思わず声が出た。

「あ、ツッキー!!!!」

やっと戻ってきたツッキーはどこか嬉しそうな顔をしていた。

長年一緒にいる俺ぐらいにしか分からないくらい微々たる変化だが、確実にそうだと断言できる。

その日の帰り、ツッキーを喜ばせた相手が誰だかすぐに判明した。





校門前の街灯の下で一人の女の人が立っていた。

ツッキーを見て、手にしていた参考書を鞄にしまった。

「あ、君は?」

ツッキーの隣に立つ俺に怪訝な顔をする。

「ツッキーの友達です。」

「へぇ〜。」

目を丸くして俺を見つめる顔は可愛らしい。

小柄で華奢な体にセミロングの髪。

清水先輩とは系統が違うが、美人系のくくりに入るであろう女生徒。

みょうじなまえと名乗ったその人は、あどけない笑顔を見せた。

ドキッと胸が高鳴った。

けれど、隣に立つ親友の顔を盗み見ると、おもしろくなさそうにしていた。

そうか、この人が、ツッキーのご機嫌の理由なんだ。

「へぇ、ちゃんと待ってたんだ。」

「待ってないと明日何されるかわからないから。」

俺に向けた笑顔とは対照的に冷ややかな目でツッキーを静かに威嚇する。

それが憎まれ口なのか本気の言葉なのか、初対面の人間の本意は分からなかった。

慌てふためく俺に、なまえさんはプッとふきだして、「落ち着いて。」といって笑った。

3人で家路についた今日は、いつもより楽しくてあっという間だった。



ツッキーがなまえさんには“蛍”と名前を呼び捨てさせているのに驚いたのは秘密。





(20141004)



 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ


©フォレストページ