幻想★小説

□SS WORLD
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『朧月夜』


闇を纏う
誰の目にも触れない様に

暗闇に身を潜ませ
僕が誰にも見つからない様に

嫉み
恨み
僻み

落ちぶれて
這い上がれなくなって
このまま
消えてしまえばいい

生まれ落ちた場所が此処じゃなかったら
僕はこんなに自分を責めずに済んだのに

僕は何の為に生まれてきたの?

こんな姿で
何故貴方の下にいなければいけないの?

いつか
誰かが
その答えを教えてくれるんだろうか?

いつか
僕にも
その答えを得る事が出来るんだろうか?

この闇に
一粒の光が見えたら

この暗闇に
光が生まれたら

僕に
それを掴む勇気があれば
それを受け入れる覚悟があれば

貴方と共に居られるのに

貴方には見えたのに

僕はすぐに見失ってしまう


僕の中の光は
蜃気楼の様に儚い

自力では輝く事の出来ない
月の様に
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