みんしょん3
□Lover
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俺達は日本が好きだ。
この国は俺達を隠してくれる。
二人でホテルに籠っていても、誰に気兼ねする事もない。
抱き合える時間は数時間だけでも、俺達にとっては、至極の時。
リハーサルギリギリまで、ヘソンをベッドから下ろさなかった。
夕べ遅くホテルに入った俺達は、飯はルームサービスで取るからと
スタッフに言ってそのまま部屋に籠った。
札をドアノブに掛けておく事も忘れなかった。
ヘソンがリハーサルに出掛けるまで、邪魔される事がないように。
「折角日本に来てるのに、美味いモノ食えないのは、ちょっと悔しいかも」
「少しぐらい食べない方が、お前のここにはちょうどいいじゃん」
最近、肉付きがいいヘソンの顔を軽く抓りながら言ってやる。
俺に遠回しに『太った』って言われると、ヘソンはすぐ口を尖らせて拗ねる。
「そんな事ないだろ!」
「そんな事あるんだよ、ヘソン」
必死に言い訳を始めるヘソンの口を塞ぐのが、俺の密かな楽しみ。