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□You are Special
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常に髪を短くしているドンワンにとって、顔にかかる髪は邪魔なモノでしかない。
「…ったく。せっかく綺麗な顔してるのにさ。」
ボソっと、けれど確実に聞こえる様に呟いたドンワンをヘソンがキッと睨んだ。
「綺麗って言うなよっ」
「いい加減にしろよっ。ったくいつまで拘ってるんだか」
苦苦しい顔して反論するヘソンに、ため息をつきながらドンワンは言った。
ヘソンにとって、自分のこの顔はお荷物でしかない。
中世的な顔は、どういう訳か男達の視線を集め、ヘソンの性癖を知ってるかの様に、迫って来る。
いつぞやは、電車の中で不本意ながら痴漢にまであってしまった。
夜道を歩けば、高い身長なのにもかかわらず襲われそうになる。
そんな自分にほとほと嫌気がさしていた。
やはり、男に生まれた以上は、逞しくなりたいと切望してしまう。