リクエスト文庫
□あいつのららばい
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常識はずれな時間にかかってきた携帯。
へソンはそろそろ寝ようかと、リビングの電気を消して
寝室のベッドの布団を半分捲った時に、けたたましくそれは鳴り響いた。
聞こえてくるのはあいつ限定のメロディ。
つい最近出したばかりのＣＤの曲に自分で設定を変えていた。
どうせ、呼び出しかなんかだろう・・
そう思ったへソンは１回目の電話には出なかった。
でも、切れたと思った携帯はまたすぐにさっきと同じメロディを
奏で始め、今度は切れることなくしつこく鳴っていた。
「だぁー！うるさいしっ！」
怒りモードのまま通話ボタンを押したへソン。
「お前なー。時間を・・」
そう言い掛けたへソンの耳に届いたのは、いかにも“僕、風邪引きました”
って宣言するかのようなしわがれた声だった。