じんしょん
□臆病者
1ページ/6ページ
「ハニー。仕事がまだ終わらないんだ。
遅くなりそうだから今日は自分んちに帰るね〜。
愛してるよ〜ひょん」
アイツのために、て思って夜食を作っていた時送信されてきたメール。
何が愛してるだよっ。
言えば俺が納得すると思ってるのかよっ!。
俺はジニからのメールを睨みながら、返事を返した。
物分かりのいいひょんを演じて。
「分かったよ。仕事ならしょうがないよな。ゆっくり休めよ」
送信し終わった携帯をポンと放り投げ、作りかけの料理を棄てようと手を伸ばしたけど、ため息を吐いて思い直した。
勿体ない…よな…。
料理に罪はないしなぁ
夜食と言っても、時間も時間だから簡単なスープを作り終えた俺は、思い付いて再度携帯を手に取った。
アドレス帳を開いて、目当ての番号を見つけると、通話ボタンを押した。
数回の呼び出しで相手に繋る。
「…もしもし?」