じんしょん

□Hug it once again 10
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カラン・カラン


「ありがとうございました。おやすみなさい」


今日最後の客を送り出し、ヘソンはホッと一息つく。
逃げるようにソウルを出てから、生まれ故郷に帰ってきて
もうすぐ1年になる。


両親は当の昔に亡くなっていたけど、母方の叔母が健在だった。
戻った当初は突然帰ってきたヘソンに驚いていたが、甥っ子の
疲れきった表情を見て、詮索することなく温かく迎えてくれた。


戻って暫くは、極力外に出ないようにしていたが、蒼白い
顔色を心配した叔母さんに尻を叩かれて、叔母さんの店を手伝う事にした。


昼間は叔母さんが店番をして、ヘソンは主に夜を担当している。
元々、料理を作るのは嫌いじゃないし、歌手にならなかったら
自分の店を持ちたいなんて夢を持っていたこともあって
客商売は嫌いじゃない。
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