じんしょん
□Hug it once again 6
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建物を出たら、目の前に見慣れた車が止まっていた。
いつも、ジニがヘソンと一緒に使っている事務所の車だ。
乗ってきたのはマネージャー。
「どうしたんだよ?レコーディング、おわっ・・・」
マネージャーが言い終わる前に助手席のドアを開けてさっさと乗り込むジニ。
あっけにとられている彼を他所に、「車出してください」と話すジニは冷静だった。
ジニの態度に思い当たる節があるマネージャーは、無言で車を発進させた。
信号で停車した時、横目で見たジニは、脚の上で両手をギュっと
握りしめていた。
コブシが白く浮き出ている。
目はじっと前を見据えていて、横にいるマネージャーすら
目に入っていないように見える。