じんしょん
□君の隣で眠りたい
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校庭を見渡せる窓際が俺の席。
今は数学の授業中。
教壇では先生が黒板に向かって、公式がどうのって
唾を飛ばしながら説明してる。
定期テストが終わったばかりの教室は、一見みんな静かに
聞いてるように見えて、その実、各々内職に忙しい。
俺もその一人。
同じ時間校庭ではいっこ上の先輩達が体育の授業中だ。
俺は退屈な授業そっちのけで、校庭へと意識を集中する。
クラス対抗でサッカーの試合をしてる先輩達。
その中に俺が気になって仕方のない人がいる。
すごく綺麗な人。人見知りが激しいらしくて、なかなか打ち解けてもらえないけど
毎朝、電車で一緒になる先輩。
名前はシン・ヘソン先輩。
「おはようございます」
答えてはもらえないけど、毎朝俺は必ず挨拶をする。
先輩は俺を見てくれるけど、声は掛けてもらえない。
毎日、毎日、しつこいくらい挨拶してたら、いつも先輩と一緒にいる
先輩の友達と仲良くなれた。
その人の名前はキム・ドンワン先輩。
俺が言うのもなんだけど、笑顔の可愛い人。
一緒にいると、こっちまでほんわかしてくる。
温かい人。