通り道
□俺だって・・・
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「お前が好きだ」
いきなりミヌに告げられて、俺は正直、どうすればいいか、
見当がつかなかった。
嫌いか?と訊かれたら、ハッキリ違うと答えられる。
だけど…。
好きか?と訊かれたら。
俺はハッキリそうだ。とは口に出来なかった。
ミヌの事は、ずっとずっと親友だと思ってた。
楽しい事も、つまらない事も、バカバカしい事だってミヌと
一緒に過ごして来た。
俺にとってミヌは、兄弟みたいな存在だったんだ。
人とかかわる事が得意じゃない俺に、この年になって初めて
親友と呼べる友達が出来た。
何をするのも、何処に行くにも俺達は常に一緒だった。
なぁ、ミヌ。
俺はミヌの事、嫌いじゃない。それはホントだ。
お前は大切な…友達…。
どうして、それじゃダメなんだ?