みんしょん3
□Affinity
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店のドアを開けた途端、引き付けられる様に目に入って来た。
今夜はやけに綺麗な奴がいるなと…。
場違いなくらいオドオドして、カウンターの端っこに座る姿は、
周囲の男達の格好の餌食だ。
声を掛けられて愛想笑いを浮かべるなんて、引っ掛けてくれと言ってるのと同じ。
自分の何気ない行動が男を煽ってるなんて、思ってもいない。
そいつは、終始顔は俯いたままで、時折チラッと周りを見ては、
直ぐに視線を戻す動作を繰り返していた。
こんな店に一人で来る。
その理由は様々だけど、殆どの場合はその日限りの相手を探してる事が多い。
ほら。早速声を掛けられてる。
「ひょん。あの人質の悪い奴に目付けられたっぽいね」
ソノがあーあって顔で耳打ちしてくる。
「嫌なら、断るだろ?ほっときゃいいさ」
俺は、横目でチラッと見た後、この夜の相手を探す為に、店内を見回した。
気に入った相手と飲んで、お互いがその気になれば連れ立って店を出る。
この店は比較的レベルの高い連中がやって来る。
容姿や収入を含めて。