みんしょん2

□艶(いろ)付け
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「いらっしゃいませ」

小間使いが恭しく頭を下げる。

「今日はどの娼年にいたしますか?」


貴族相手の男娼を置く娼館で、一人の娼年と出会った。

綺麗な花のような外見とは正反対な冷たい顔。




まだ、誰の手も付いていなかったヘソンを一目見て気に入ったミヌは、微々たる金額で買い上げ、屋敷に連れ帰った。







「・・・っん・・・んあ・・・・あぁ・・・・」

紡がれる言葉は極上の響き。

組み敷いた体躯は、見事に咲き誇る艶花。



「あぁ・・・・っや・・!」


ギリギリのところまで高められた快感は、開放される瞬間(とき)を待っている。

ミヌはこの瞬間が堪らなく好きだ。


攻める手を緩めると、紅く顔を染めながら、“もっと・・”
と強請るヘソンを見れるから。

普段の冷たい表情からは、想像もつかない恍惚のした顔。
桜色に染まった体躯から漂う男を狂わす香り。


だから、つい苛めたくなる。


知り尽くした弱点。

達けないように根元を締め付け、生温い愛撫を繰り返せば、
狂ったように求めてくる。


どうすれば、悦ぶのか・・・・。

その体躯に一から教え込んだ。
舌の使い方、口淫のやり方、欲望の受け入れ方・・・・。

何も知らなかったまっさらな体躯を自分の色に染め上げた。


自分だけの。


自分の意のままに。










もっと・・・

もっと・・・


妖しくひかるその瞳に魅せられて、意のままに咥える。

抗えない。


戸惑うことすら許してくれない。


その低い声は、真綿のようにヘソンに絡まって、がんじがらめにしていく。

憶えてしまった快感という麻薬は、
日に日にヘソンの躯を侵食していく。

もう、それが当たり前になる。

「「お前は俺のもの」」


その言葉で縛られて・・・。
教え込まれた快楽に囚われて・・・。

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