みんしょん2
□聖なる夜
1ページ/9ページ
華やかなイルミネーション。
街中に流れる陽気なクリスマスソング。
12月になった途端世間はクリスマス一色に変貌した。
ジニが勤める居酒屋も、例外なくクリスマス仕様になっていた。
と言っても、元々気取った店ではないから、店内のレジ横に申し訳
程度にツリーが置かれたくらい。
あとはメニューにチキンが増えた。
「ちわっす!」
「ジニ、店閉めたら最後の打ち合わせするぞ」
いつも通りに挨拶をして、仕事に入ろうとしていたジニの背中に
大将から、そう声がかかる。
真面目にコツコツ努力していたジニ。
そんなジニを働き始めた時から見てきた大将は、年明け早々に出す事になっている
支店をジニに任せてみる事に決めたのだ。
そのためにジニは調理師の資格も取った。
まだ、足を突っこんだ程度だけど、経営についても勉強を始めていた。
一人じゃ店は廻らないから、初めてアルバイト採用の面接もやった。
初めてのことばかりで、ジニの頭はパンク寸前。
そんな所に大将からの追い討ちに、泣き言の一つがつい出てしまう。