みんしょん
□大好きな君へ 7
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「もしもし」
顔を見れなくなって、声を聞くだけで、それだけで
よかったのに。
そのうち、電話も無視された。
着信拒否された俺の番号。俺の気持ち。俺の欲望。
以前に撮った写真を焼き増しして
部屋の壁という壁に貼り付けた。
俺に笑いかけるヘソン兄。
拗ねたヘソン兄。
ミヌ兄も一緒に撮ったけど、そこだけ切り取って捨ててやった。
この部屋は誰にも邪魔されない俺だけの空間。
ヘソン兄と俺だけの・・・。
店を休みがちになった俺を心配して何度も大将が様子を
見に訪ねてきたけど、俺は頑固に部屋には上げなかった。
まだまともな部分が残ってた俺の頭は、必死に周りに助けを求めてる。
でも、口から出る言葉は正反対。
俺の中にもう一人の俺がいる。
もう一人の俺がその比重を徐々に重くしてきてる。
ヘソン兄を手に入れたくて、モノにしたくて足掻くだけ足掻く俺。