じんしょん

□愛しくて・・・
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現実から逃れるようにここに来た。

彼と初めて逢ったこの場所に。
ジニが彼を見つけた場所に。




窓を開けてテラスに出た。
海からの風は穏やかで、夜が明けきる前のヒンヤリした空気が
ほてった身体を鎮めてくれる。

ほんの数時間前まで、彼を抱いていた。

細い体躯を組み敷き、白い肌に口付けて指を滑らせた。
緊張していた彼の欲望を手に握り、ゆっくりと扱いた。

眉間に皺を寄せて声を我慢していた彼を性急に達かせて
喘がせて、泣かせた。

涙を溜めて頬を染める彼はどんな女よりも
綺麗で妖艶だった。

ジニは自身の昂ぶりを我慢出来なくて、まだ準備の出来ていない
彼の中に押し入ってしまった。

逃げる腰を引き寄せ、長くて細い足を広げ押さえ込んだ。

胸の突起が紅く膨れるまで舌で舐め、強く吸い付いた。

我慢出来なかった・・・。

彼からの拒絶の言葉を聞きたくなくて、噛み付くようにキスを
繰り返した。

仰け反る首筋に、ひとつだけ痕を残した。
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