みんしょん
□それは、突然始まった・・・
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俺にとっては、この日は運命としか言いようがない。
それまで、なんのへんてつもない毎日を過ごしてたけど。
色のない世界しか知らなかった俺に、感情っていう
ドギツイ色を教えてくれた。
俺は・・・・
拾いモノをしたんだ。
いや・・拾った・・・とはちょっと違うな・・
懐かれた?
*****
季節は夏から秋に移りそして短い秋を名残惜しむ間もなく冬へと
足を突っこんでいた。
日が暮れた夕方は、昼間の陽射しの暖かさが嘘のように
寒さが身に沁みる。
はーっと息を吐き出せば、白い息が手の平を気休めに暖める。
箪笥から引っ張り出したコートの襟を立てて、今日は寒いから
一杯やって帰るかな・・・。
そんな事を思いながらめぼしい店を物色していたミヌは
道路わきに不自然に座りこんだ足に気がついた。