「なぁ、破天荒」
「んー?」
「いつまでこうしてんの?」
「さあ」
黒破天荒は何故こうなったのか解らなかった
ついさっきまでは破天荒とは何もなかったはずだ
何時もなら破天荒は俺が来ても冷たくあしらうか無視するかなのに
例えツンデレだとしてもこうして突然抱きつくという事はない
今日だって久しぶりに会いに来たのに相変わらず冷たくあしらわれ
仕方ねぇから胸ポケットに入れていた携帯を取り出して黒おやびんから来ていたメールを返信してただけだ
なのに一体どうしたんだ?
だが破天荒は何も言わずに俺の背中に抱きついたままだ
「おい破天荒…いい加減離せ」
「やだ」
「これじゃ抱きしめられないだろう」
破天荒の両手を離して抱きしめると抵抗せずに抱きしめ返してきた
本当に珍しいな
「どうした?」
「別に」
「素直に言わねぇと抱きしめるだけじゃ済まないぞ」
「〜〜っ!…いいけど///」
ちょっと意地悪に言っただけなのに何この反応っ!!
何だ?もしかしてデレ期って奴か?
あまりに反応が可愛いから破天荒の口唇に触れるだけのキスをした
だけど彼奴は何か不満そうだ
本当に可愛いな
「何 足りない?」
「…足りないから、黒破のちょうだい///」
「ったく可愛いな」
「〜〜〜っぅ///」
取り敢えずこれ以上焦らすと俺も辛いから
さっきよりも深く口付けてそのまま押し倒した
「で?本当今日どうしたんだよ。何時も冷たくあしらうくせに?」
「…別にっ///」
散々抱いた後、ふと思った疑問を破天荒に問うが彼奴は顔を赤らめてそっぽ向いた
「寂しかったのか?」
「…だってメール送ったって素気ないし、久々に会ったのにお前黒おやびんの事ばかりだし」
あぁそういや偶に来るメールも黒おやびんと一緒にいる時だから素気なく返信しちまったし
此処に来た時も黒おやびんの話ばかりしてたと思う
「何 嫉妬?」
「…悪いかよ///」
「いや、マジに可愛いなお前は」
「ちょっ…もう…離せっ///」
「やだね」
「んっ…んぅ///」
「愛してるよ破天荒」
「〜っ俺も愛してる///」
あまりに素直な返事に俺は驚いたけど
破天荒は顔を真っ赤にして抱きついたままだから
額に軽く口付けて抱きしめ返したんだ
(何時もこんな素直なら可愛いのに)
(黙れっ!///)
end