短編夢小説
□6ありきたりな約束[拍手]
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「ねぇ」
「なあに?」
「…やっぱり何でもないや」
どうしても彼女に聞けない。
あの日のあのこと。
***
「今日誕生日だよね?誕生日おめでとう」
「わぁ紅ちゃんありがとう!開けてもいい?」
それは彼女の誕生日。
僕があげたのは定番ともいえる指輪。
女の子は何が喜ぶのか分からなかったけど、これなら失敗することはないと思った。
しかし彼女は指輪を見たとたん、少し顔を曇らせる。
一体何がいけなかったんだろうと焦っていると、彼女がぽつりと言った。
「…紅ちゃんも永遠の愛、とか信じる?」
「え?」
結局返事をすることもその質問の真意を知ることも出来ないまま、女の子とは不思議なもので、すぐに明るく直るとありがとうと言ったのだった。
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