短編夢小説
□壱万打御礼★オールスターはくしゅ
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02-赤鬼
「キャ〜暮内くんよ〜」
「暮内くーん、おはよう〜!」
「キャー!」
…聞いてられないよ!
視線の先にはファンに囲まれる自分の恋人の姿。
というか、もはやファンに埋もれて見えないや。
いらいらいらいら。
優しい彼のことだ。
『君を危険な目に会わせたくないんだ』
…だって。
確かにばれたらファンの子達に睨まれるかもしれないけど、
マスコミが黙ってないかも知れないけど、
そんなのしるもんか!
「紅ちゃん、おはようっ!
教室、一緒に行こう?」
人だかりに割って入る。
どよめくファンの子たち。
彼はおどろいたようだったけど、すぐに微笑んで
「おはよう、行こうか」
あぁ、その優しい笑顔が大好きです。
教室まで一緒に歩くと、どよめきが起こる。
大胆なことをしたのは自分なものの、顔が赤くなってしまい、つい俯いてしまった。
そんな私を見ると、彼は
「…やっぱりそんな君が好きだな」
はにかんだ笑顔。
紅ちゃんは何でもお見通し。
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