私はあまり雨の日は好きじゃない。
雨が降ると辛い思い出を思い出してしまうだけ。
……雨なんて嫌いだ。
雨の日に
私は今隊舎の中にある宿舎にいた。
隊舎内は自らの呼吸音が聞こえるくらい静まり返っている。
何故かというと、浮竹隊長や他の隊員は任務へ向かっているからだ。
私は任務に参加出来なかった。
今日はあまり体調が優れないから休ませてもらった。
だから、宿舎の中に敷いてある布団に横になっている状態だ。
頭が痛くて堪らない。
しばらく目を瞑っていたが全然寝着けなかった。
「…喉が渇いたな。」
布団の中からゆっくりと出て、喉を潤す為に水をいれにいく。
人がいないせいか、ひどく隊舎内は冷えきっている気がする。
━━ザァ…ザァ……
不意に静かな隊舎内に水音が響いた。
縁側に繋がる襖を開け、音がする外を覗く。
「…雨だ……」
なんでこんな時に雨が降るのだ…
唯でさえ体調が優れないのに、更に悪化した気分だ。
水を飲み、直ぐに宿舎に戻った。
布団に体を滑り込ませ、天井を仰ぐ。
薄暗くて…凄く心細い。
「隊長達…早く帰って来ないだろうか………」
とにかく、雨の音を掻き消して欲しかった。