捧物
□彼女までの方程式
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カップを傾けてココアを流し込んだ。白い喉が、嚥下していく。その一連の動作を、ティキは終始眺めていた。すると、流石に視線が気になりだしたのか、アレンが恥ずかしそうにこちらを見てくる。
「先生…あんまり、見ないでくださいよぉ…っ」
羞恥心で上手く飲み干せなかったのか、唇の端にココアが付着していた。白い顎をくの字に曲げた人差し指で掬い上げれば、玲瓏と輝く瞳に吸い込まれていく。
誘われるように伸ばされた舌で、その箇所をぺろりと舐めた。ぴくっと震える少女に、込み上げる愛しさ。
「アレン、ココア付いてんぞ?」
舐め取った後なので付いている筈もないのだが。
「…っや…」
抵抗するか細い腕はそのままに、逃げられないようきつく抱き締めた。キスで唇を塞いで、言葉を奪う。抗議を上げる声は、吸い取られていった。
「や…ぁ…、ふ…んン…っ」
「口、開けて…?」
言われるがまま唇を開けば、くちゅ…っと水音がしてティキの舌が進入してくる。小さな舌と絡められれば、苦いコーヒーの味がして…苦しいのに心地良い唇の感触が欲しいと思い、無意識にティキの頭を抱き寄せていた。
柔らかい唇を、深く宛がわれる。健気にも、大人のキスに答えてくる事が嬉しかった。
「アレンの口、甘いな…ココアの味がする」
名残惜しそうに離れれば、途端開かれる瞳。視線が交わる。
「先生は、苦いです…」
そう言って微笑む少女が、欲しくて仕方がない。理性と葛藤するも、勝るのは情動で。
「…抱いても、良いか…?」
ベッドに寝かせたアレンに顔を近づけて、耳元に囁いた。頬を撫でる大きな手に、酷く安心出来て…。
「…っ…は、ぃ…」
恥ずかしさも有ったが、それ以上に愛しさが込み上げた。本当は怖い…けど、この人になら大丈夫。
「…優しくしてやるから」
再び交わされる口付けは、始まりの合図。
○ ● ○ ● ○
着ていた真紅のカーディガンを脱がせ、その下のワイシャツを露にする。そこに有る見事な迄の豊かな膨らみに、感嘆の声を上げた。
「へぇ…胸でかいんだな…G位か…?」
邪魔なボタンを外していき、前だけを肌蹴させる。フロントホックを外しても、支えを失った乳房が垂れるような事はなかった。張りのある柔肉が上下に揺れ、形を保っている。
「ぁ、ん…しら、なぃです…サイズ、はかってなぃから…あぁvv」
その弾力を楽しむように、両の手で揉みしだいた。
「すげぇ柔らかいし…さっきのマシュマロみたいだ」
「ふ、ゃ…あ、あぁ…ン…」
「喰っちまいたい…」
「やぁあああぁんっ!!」
綺麗な色の乳首にキスをすると、温かな舌が這い回った。コロコロと転がしたり、吸い付いたりと、刺激を与える度に少しずつ膨らんでいく。
「ぃ、あ…せん、せぇ…ン…!もっと、ぺろぺろ…シて…っ」
涙で滲む視界に捕らえた、端正な顔。優しく抱き締めて、刺激をねだった。
「“先生”じゃなくて、“ティキ”だろ?アレン」
望み通りに乳首を唾液で濡らしながら、名前を呼ばせる。行為中に呼ばれる名前は、いつもと違う特別なモノだから。低い声で少女の名を呼び、躯を支配する。丸で魔法のような、甘い呪縛。
「は、ぅん…てぃき…ティキぃ…っ」
抱き締める腕が強さを増す。頬に触れる、柔らかで温かい感触。
「良い子だ…」
柔肉を唇が掠めた。チリっとした痛みに眉根を寄せるも、ティキはその正体を教えてくれなかった。気になっていても思考は遮断され、現実に押し戻される。
ぴちゃ…。
「ん、あぁあ…っ!!」
気がつけば、足の付け根にティキの顔があって。その中心を、赤い舌が解していた。
「そんな、とこ…だ、めぇ…きたなぃよぉ…」
顔を真っ赤にして、嫌々と首を降る少女。両手で離そうと躍起になっても、そこは男女の力の差。まして大人と子どもでは力の差は歴然だ。
「なんで?こんなに美味いのに…」
ちゅくっ
「ぃやぁああ…っ、ん…っく、ふぁ…しゃべ…らなぃでぇ…ぃき、かかっちゃ…!!」
「え?なに?」
本当は聞こえているのに、意地悪く笑んだ彼は思い切り息を吹き掛けた。
「やあっぁああぁあああっ!!!!」
一際甲高い悲鳴を上げて、弓なりに反る。溢れ返る愛液に笑みを漏らすと、銀糸を優しく撫でた。
「先ず一回、だな♪」
「は…はぁ…はぁ…っ…ぇ…?」
「今のが“イく”ってやつだよ」
「…っ!!!?」
言葉の意味を理解した少女は、途端に赤くなる。
「可愛いねぇ…♪さ、て…まだ不十分だから、きちんと慣らそうな?」
つぷ…っ。
「は…はぃ…っぁ……、ん!!」
濡れてきてはいるモノの、この質量を受け入れるのはまだ不十分だ。出来るだけ愛しい少女に、無理をさせたくはない…。少し解れた入り口に、人差し指を差し込んだ。中で内壁を擦りながら、奥へ奥へと進んでいく。きゅうきゅうと締め付けようとする力に逆らい進んでいけば、それは痛い訳で。
「てぃ、き…いたぃ、よぉ…っ!!」
痛みに震え、少女の近くに添えられた腕をぎゅっと掴んだ。