銀文
□森の魔法使い 2
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あの少女が尋ねてきてから数日たったある日
『トントントン』
またドアを叩く音がする、「珍しいな、こんなに人がくるのは・・・・・」そう思いながら男はドアを開けた。
「こんにちは、魔法使いさん」
目の前にいたのはこの間の少女だった。
「・・・・・どうしたんだ、今日は」
男は少女に尋ねた、もしかしてあの薬が効かなかったのだろうか・・・男は少し心配になった。
「この間はありがとうございました、兄の怪我は無事に直りました」
少女は深々と頭を下げた。
「そうか、それはよかったな」
わざわざ礼にくるなんて、男がそう思っていると
「この間は慌てていて、あのお薬はおいくらですか?」
少女は持っていた籠から小さな袋を取り出すと
「すみません、あまりお金が無くて・・・・これで足りるかわかりませんが・・・・・」
その小さな袋を男に差し出した。
「金はいらねーよ」
男はそういうと袋を少女に返した
「え、でも・・・・・」
「別にそこら辺にあった薬だし」
男は銀色の頭をぼりぼりかいた。
自分を怖がらず、この髪と瞳を褒めてくれた少女から金を貰おうとは全然思っていなかったので、「そこら辺にあったやつだから気にすんな」と理由をつけて少女に金を返したのだった。
すると少女は先程の籠から白い箱を取り出し
「じ、じゃあ、ケーキ焼いてきたので食べてくれますか?」
少女がそう聞くと男は少し照れながら
「それなら貰う」
と、答えた
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