○ 上層駄文2

□デートをしよう
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●月×日 大安吉日

僕と御剣は街に買い物に来た。
久々に服を買おうかなと思い立った僕が御剣を誘った形で、僕たちは今、連休の人ごみに紛れ込んでいる。

『買い物に行くのならば何も連休でなくともいいだろう?』


そう宥められたけれど、欲しいと思った僕は到底我慢なんて出来なかったし、また後日…なんてことになったらきっと僕の財布が寂しいことになってしまうから。
だから半ば強引に御剣を引っ張り出した。


「やっぱり凄い混んでるね〜」

「だから言ったではないか。何も連休にこのような人ごみに…」

「あ、あれ、いいかも!」

「話を聞きたまえ!」


御剣は混雑した場所が嫌いだ。
嫌いというより縁遠いから慣れていないのかもしれない。

僕にしてみれば『いつもより混んでる』が御剣にしてみれば『有り得ない状態』なんだろう。
まぁ、通勤も車だし、セールなんて行かないだろうし。


「これなんかどうかな」


淡いブルーのポロシャツを手にとって御剣に見せると、心なしか上の空だった御剣が視線を僕の手元に向けた。


「キミは…いつも青なのだな」

「そんなことはないけれど…」


僕の反論にも特に言い返さず、御剣はぼんやりとそのポロシャツを見つめたままで。

小さくため息をついた僕は、そのシャツを売り場に戻すと勢い良く御剣の手を引いた。


「な、何をするのだ成歩堂!」


いきなり手を引かれてバランスを崩した御剣が憤慨の文字を顔色に宿したけど、僕はその手を離さなかった。
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