○ 上層駄文2
□ゲーム
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「あれ?何してるの?御剣」
お風呂から上がって部屋を見渡してみれば、リビングに座り込んでなにやら深刻な表情をしてパソコンを見ている御剣。
「おいっ!」
「ム。成歩堂。出たのか」
「さっきも声掛けたんだけど。何してるんだよ」
「すまない。その…ここにあったパソコンの電源が入りっぱなしだったのだ。キミが出るまでと思い始めたのだが…つい…」
画面に縦に並べられたトランプ。
七並べは横だし、縦に並べる遊びなんて僕は知らない。
「これ、何してるの?」
「これはフリーセルというゲームだ」
「ふりーせる?」
並べられたカードはランダムに重ねられている。
じっとそのカードを見つめるけれど、どんな法則にしたがって並んでいるのかがイマイチ分からない。
「やってみるかね?」
「そ、その前にルールが知りたいんだけど」
「フリーセルのルールは至って簡単だ。ランダムに並んだカードをキングから順に重ねていけば良い。ただし、同色は重ねられない」
「どうしょく????」
「…黒のキングの上に黒のクイーンは重ねられないということだ。黒の次は赤、赤の次は黒…である」
「…何だか難しそうなんだけど」
既に頭がいっぱいになっている僕をよそに、御剣は更に話を進めてしまう。
聞いてもさっぱりな僕は、とにかくまずその仕組みを理解するからといって、話をさえぎった。
「つまり…これは8列に並んでるカードを、動かして重ねるってコト?」