○ 上層駄文2
□Let's go sea! 〜前編〜
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番号を押して行く指先に関係なく、私は受話器を取り上げ電話に戻した。
壊れそうな音がしたがそのような事は気にしていられない。
「何するんだよ!」
「それはこっちの台詞である!何をしているのだキミは!」
「だから明日の連絡を…」
「真宵クンと春美クンにするのだろう?」
「それとイトノコさんとゴドーさんと…」
「……成歩堂。考えたくは無いのだが…まさか、その先には…」
冷や汗を流した成歩堂がじっと私を見つめる。
予測はつく。
その先に出てくる名前など分かりきったことなのだが、確認しなければならない。
そして何故そのようになったのか、成歩堂を尋問しなければ…!
「きょ…局…」
「成歩堂ッ!!!!!!」
「し、仕方ないだろ!プライベートビーチに招待するって言われちゃったんだから!それが招待じゃなく強制だったことくらい御剣ならわかるだろ!」
「キミなら断れる!キミは局長に逆らったところで別段問題はないではないか!」
「問題が有ろうと無かろうと怖いものは怖いんだよ!」
泣き出しそうな成歩堂の表情。
局長がよほど怖かったのか今の私が怖いのかわからないが、大きな瞳がきらっと輝きを見せる。
「な、なにも泣くことはないではないか…私は別にキミを責めているわけでは…」
「思いっきり責めてたじゃないか…僕がイエスマンだからいけないんだ…」
「そのようなアレはない!局長に対してノーと言えるのは恐れを知らない神乃木だけである!」
「じゃあゴドーさんなら断れたんだね…」
「…そこまで卑屈にならないでほしいのだが…」