○ 上層駄文2
□ゲーム
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「簡単に言えばそうだ。右上はエース置場であって、そこはエースから昇ってカードを重ねる事が出来る。ただし、一度出したものは場に戻せない」
「う…うん…」
「左上はカードの一時置場だ。ここにはエース以外ならば何でも置く事が出来る。ただし、ここに置いたカードの枚数によって、移動できる場の枚数も変わってしまう」
「……サッパリ分かりません」
投げ出したくなる思いをグッと抑えて、僕は御剣を見た。
僕の思いを察したようで、やれやれと小さく首を左右に振る。
これは解放してもらえる!などど思った僕が甘かった。
「例えばだ。一時置場にカードが無い場合、このK・Q・J・10・9は一度に移動する事が出来る」
「(うわぁ…終わらないよ…)」
「しかし一時置場に空きがないと、動かせるカードは1枚になる。理屈は分かるかね?」
「な、何となく…」
「そして数枚の繋がったカードを一気に移動できるのは、更に繋がるカードの上か、空き列のみである」
「更に…つながる…?」
「更に…つながる…?」
「うム。移動するカードが赤の10、黒の9、赤の8だった場合は、赤の10に繋がる数字…つまり黒のJの上か空列にしか移動できない」
「うううぅ…」
「では成歩堂。私はこれから入浴してくる故に、私が出るまでにコレを解いておくのだ」
「え、ええぇぇぇぇぇっ!!!」
喋るだけ喋って、御剣は満足そうに浴室に向かってしまった。
これって…さっきまで御剣が難しい顔して解いてたヤツじゃないか…。
御剣に出来ないモノが僕に出来るわけないだろう…。
そんな風に思いながらも、僕は仕方なくそのカードに手を伸ばした。