○ 上層駄文2
□キミがいないと眠れない
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今から半年前になるだろうか。
毎日が忙しく余裕の無かった私を思って、成歩堂が自室に招いてくれた事が有った。
丁度良い息抜きだと思い私もその言葉に甘えてお邪魔させてもらったのだが、日々の激務の疲れが祟ったのだろう。
少量のアルコールで眠気に襲われてしまった。
その夜の事はあまりよく覚えていないのだが、私は成歩堂の寝室でしっかりと朝を迎えてしまったのだ。
当の成歩堂をソファで寝かせてしまった罪悪感を感じ、成歩堂の目覚めと共に謝罪したのだが…。
成歩堂の口からは想像を超えた言葉が飛び出たのだ。
「御剣、僕がお前のタオルになるよ」
「……何の、ことだろうか」
やけに棒読みだった辺り、しっかり用意していたのであろう言葉だということは分かった。
しかし意味が分からなかった。
暫く考えて、私は気付いたのだ。
ココは成歩堂の家だというのに私の手にはしっかりとタオルが握られている。
私が眠るときにコレが必要な事を成歩堂は知らない。
と言う事は、私は自らコレが欲しいと成歩堂に頼んだと言うことになる。
つまり…
「それは…私に添い寝すると言うことだろうか?」
「え?あ、いや…そうとも言うし…微妙に違うとも言うし…う〜ん…」
「意味が分からない。ハッキリと言いたまえ」
「ん〜…じゃあ。…僕の恋人になって欲しいんだけど」