(S)N-SEIGAKU
□手、繋ご。
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君の艶やかな髪の色が好き。
君の栗色の瞳が好き。
君のしなやかな白い肌が好き。
全部、全部大好きなのだけれど、
ねぇ、君は?
手、繋ご。
火曜日の午後1時。
ここ、青春学園中等部の屋上は彼によって占領されていた。
越前、リョーマ。
さらっとした風が僕を追い越して、リョーマの髪をとぐ。
お日様の、良い匂い。
こんな日はリョーマと話でもしていたいのだけれど。
テニス、食事、睡眠が彼の中の三本柱となっているのだから僕と話してくれるはずもなく。
そっと、僕は隣に座る。
「ねぇ、リョーマ?」
二人きりの時は名前で呼ぼうと決めたのだけれど、名前で呼ばれたことなど一度もなくて。
すぅ…すぅ…
規則正しい寝息をたてながらリョーマはごろん、と寝返りをうつ。
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