N(G)-企画/季節/イベント

□Happy Happy
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今年のクリスマスイヴは、特別で、大切で、とーっても幸せな記念日になるよ。

おチビ、お誕生日おめでとう。

俺の気持ちを、おチビに全部捧げます。



Happy Happy


「よーし!出来たっ」

今日、12月24日、クリスマスイヴ。そして、おチビの誕生日!

俺は朝からケーキ作りに精を出していた。

そして、やーっと完成したんだにゃ〜!

手についた生クリームをペロッと舐めてみる。

「俺、天才?!」

それは調度いい甘さで凄く美味しかった。

所々床にこぼれた小麦粉を器用に避けながら冷蔵庫を開ける。

ひんやりとした空気が俺の気持ちを引き締めさせた。

冷蔵庫に入っているのは、おチビがいつも飲んでいる炭酸飲料。

準備は整った!

両手でパシンと頬を叩き、気合いを入れてみる。


皆に派手だ派手だと言われている菊丸印付きの携帯を取り、おチビへと電話した。




「もしもし?おチビ?」
「ん…」
「あー!もしかして寝てた?!あんだけ寝坊しないでって言ったじゃんかよー!」

電話越しにため息をついてみる。でも、おチビの声を聞いて元気になったのは自分でも分かった。

「アンタ、早とちりしすぎ…」


「…え?」

その瞬間、玄関のチャイムが鳴った。

「あ、ゴメンおチビ。ちょっとお客さんが…」

外との温度差で水滴がついているドアノブを掴み、開けてみる。



「さっきからここで、待ってたんだけど」



そこには寒そうに手をすりあわせるおチビがいた。


「え、おチビ…?」

俺は目の前に映っている映像が信じられずにいた。


だって!だって寝坊助さんのおチビが!寒いの大嫌いなおチビが!


目をキョロキョロと動かし、焦ってみる。いや、本当びっくりだにゃ!


「先輩…」

え?とおチビに視線を移すと同時に、ふありと彼のシャンプーの匂いがした。

「な、おチビ!?」

「美味しい…ケーキ、作ってくれたんすか?」

おチビが背伸びをして、俺の頬を舐めたのだ。たぶん、生クリームがついていたのだろう。


「うううもう我慢出来ないにゃ〜!」

俺はおチビを抱きしめ、そのまま部屋へと連れていった。
おチビは「何するんすか!」とか言っていたけれど。
おチビが可愛いからいけないんだよ?
改めておチビと向き合い、交わした口付けは俺の作ったケーキなんかより甘くて、すごく美味しかった。




ね、おチビ…

今年のおチビの誕生日、ずっと俺と一緒にいてください。

俺の気持ちを全部あげる。

だから…



俺のために笑ってみせて。


誕生日おめでとう。

可愛い可愛い、ちょっと生意気な俺のおチビ。

FIN

→あとがき
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