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□愛しい人‥
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キラリと零れ落ちた涙
それは嬉しいと同時に
罪深い俺の所業の象徴
愛しい人‥
―コンコン
真夜中の教団
真っ暗な廊下にノック音が響く
「‥‥入るぞ」
聞こえる訳がないと思ったが、無断で入るのは何だか忍びがないので俺は部屋の前で呟いた
キィ、とドアが鳴り部屋への入口が開く
中は暗かったが、とうに暗さには慣れてしまった俺の目はすぐに目的の人物を見つけた
ベッドの上にいるそいつにそっと近寄ると、規則正しい寝息が俺の耳に届く
―当たり前か‥こんな時間だし‥
任務帰りに顔を見たくて寄っただけだしな‥
暫くラビの寝顔を見つめて俺は部屋を出ようと体を翻した
刹那
「‥‥ぅ‥‥‥っ‥」
ラビから呻き声が聞こえた