REBORN!
□forma amare
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「I LOVE YOUの最初の日本語訳は、"貴方のためなら死ねる"、という意味だったそうですよ。」
イタリア北部にあるボンゴレの本部。その主であるこの男は、最近自分に意味不明な言葉をよく投げかけてくる。
今日もその意味不明な言葉を聞いて、読んでいた本から顔を上げ、眉を寄せる。
「それが今や"愛してる"なんて安っぽい響きになっているなんて嘆かわしいと思いません?」
彼は机の上で緩く組んだ両手に顎を乗せて、柔らかい(しかし何を考えているか判らない)笑みを僕にぶつけてくる。
「最初に和訳した人って余程歪んだ恋愛観してたんでしょうね〜」
君もね。と思わず心の中で呟く。彼がこんな話をしてくるのは大抵仕事をしたくない時。早くその書類の山を片して終わないと、最強の家庭教師に殺されかねないというのに。
「価値観が違ったんじゃない?その人。」
とりあえずそう答えて、話を聞く気がない僕は視線を本に戻す。
「LOVEとは正に狂気にも似た愛情で…」
僕の言葉なんて聞いていないのか、彼は変わらず笑みを浮かべたまま続ける。
あぁ、彼のくだらないうんちくの所為で本に集中出来やしない。
小さく溜め息をはいて本を閉じた。