White

□mutual
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微睡みに見る昔の光景。俺って表情ないな。


「昨日あの女のところ行ってたんですってね。」

「そだけど。」

タバコに火を付けながら女の方を見ずに答えた。

「誰と寝ようが俺の勝手でしょ?」

「だって!」

「恋人でもないのに何言ってるのさ。」

深く吐いた煙で女が霞む。サラサラの茶葉に胸元の大きく開いた服。体はいいね。でも

「そもそもタイプじゃないんだよね。バイバーイ。」

「待ってよ!」




そんなことがあったのは昨日。





「どうして私じゃダメなの!?」

「ただの情報源だし。」

面倒くさいな、女って。情報の為にちょっと抱けば恋だの愛だの言っちゃって。アンタだって誰とでも寝るんだろ。

「好きなのよ!」

「…ウザ」

「それでも…!」

一言吐き捨てて後ろを振り返れば引かれる袖。血が冷たく逆流した。


―――ガゥン!


「ウザイって言ったでしょ?」

生温く赤い花が散った。昨日今日とおんなじような事があるとイライラする。

大体嫉妬って醜いよね。恋人面してるのも腹立たしい。








昔はそう思ってたんだけどね。



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