Black


□カラオケ
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この前の美国探偵事務所で行った少し早めの忘年会――――
珍しく嫌な顔一つしないで一緒に参加した俺のかわいいパートナー。

いつもは酔っ払いの下ネタが激しくて赤く俯いてしまったり、その場から逃げ出そうとする香織。

でもこの前は違った。本当に珍しく楽しそうだった。


香織が興味を引かれたもの……それはカラオケ。








「香織〜今日の仕事帰りにカラオケ行かない?」

「…カラオケ?」

「そ♪」

「まぁ明日は休みだし…別にいいぞ。」

「即決ですか!」

「?米良が誘ったんだろ。」

「うん、そうだね〜…」


明らかにあの日から少し変わった香織。今までは興味ないことや自分に関係ないものは見向きもせずに仕事に集中していた。

19歳の青年にしては大人びすぎている理由の1つでもある。

19歳と言うことを考えればカラオケに行くなんてなんてごく普通のことだ。でも香織には普通のことではない。色々なことに興味が出てきて、子どもらしさを取り戻す香織を見ていると微笑ましく嬉しいが、今回は複雑。




俺が提案したわけじゃないカラオケにあんなに興味津々だなんて…。
自分からマイクを持ったり、うた本をワクワクしながら見たり……なんだか悔しいな。



ーー-ーー-ー



結局、残業をしてからカラオケと夕飯がてら街中に繰り出した。

街を彩る鮮やかなネオン。夜の蝶たちが飛び交う時間。蝶達からの様々な誘惑が降り注ぐ中、俺たちは目的地へと歩いた。


「香織〜着いたよ。」

「ここか。へぇ〜意外に明るい店なんだな。」

「楽しく歌う場所だからね。」

「そうか。じゃあ受付けよろしく。俺わからないから。」

「は〜い。」

受付を済ませ、マイクが入る小さなかごを持って角の部屋に入る。
この辺では一番綺麗なお店らしく、一つ一つの部屋もとても綺麗だった。

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