ポケモン

□急がないでのんびりと
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「………うーん…釣れないなぁ」

此処はシンジ湖、僕は釣り竿を引きながらため息を吐く。

「最近家に帰ってなかったよなぁ…今日は久しぶりに…帰ろうかな」

水面を見つめながら考え込む。

(そう言えば、最近アイツを見てないなぁ…無茶してなければ良いけど)

「あっ…雪」

空を見ると、少しずつ雪が降り始めていた。

「釣れないし、今日は帰るかなー…」

釣り竿を片付けて、立ち上がろうとしたー…その時。

「コウキー!!!」

自分が呼ばれる声を聞き、僕はシンジ湖の出入口を見る。

「コージ!」

そこには案の定、幼なじみであるコウジが居た。
コージは僕に駆け寄る。

「久しぶりじゃん!此処で会うとは思わなかったぜ!久々にバトルだー!!」

コージは嵐の様に話し掛けてき、自分のモンスターボールに手を掛けた…が、

「何だってんだよー!!」

まだ何もしていないのに、コージはお決まりの言葉を叫んだ。

「俺のポケモン体力殆どヤバかったんだった!!」

そう言って、コージは考え込む仕草をする。

「よし!ポケモンセンターに行ってくるからコウキは此処で待ってろよー!!」

「はぁ!?ちょっと待って、コージ!?」

僕の言葉も聞いてないコージは走り去ろうとする。

「…待て!!!」

ードゴッ!!

「ぐはっ!?」

走り去ろうとするコージの背中に僕のドロップキックが決まった。

「待てって言ってるでしょうが!!」

「だっ…だからって、蹴り入れるなよ!?」

蹴り飛ばされて、地面に倒れているコージを見下ろしながら僕は叫ぶ。

「そうしなきゃ止まらないでしょ?」

呆れてしまう。
折角、どうしているか心配していた幼なじみに会ったのに、その幼なじみを蹴り飛ばす事になるとは思ってもいなかったからだ。

「イッテ〜罰金だぞ、罰金!!」

コージは地面に座り込んだまま、僕を見上げて怒っている。

「…悪かったよ、だから話を聞いてよコージ」

僕は苦笑しながら、コージの腕を掴んで立たせる。

「久々に会ったんだし、今日は僕の家に来ない?」

「お前んち?」

「うん、何かお菓子作ってあげるからさ!」

「行く!!」

僕が言うと、コージは速答してくれた。
嬉しそうな顔をするコージを見ていると、僕も笑ってしまう。
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