GA

□望み
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『望みは…何?』



「…テキーラ、身体の調子はどうですか?」

「お師匠様…はい、平気ですアタシは大丈夫です」

「そうですか…」

「カルーアの精神が不安定になってるみたい…なんです」

「そうですね…テキーラ貴女は暫くは…」

「はい、わかっています。アタシは暫くは出てきません」

「…ごめんなさいね、テキーラ」

「いいえ、お師匠様…これはアタシが決めた事ですから…アタシは」

「『カルーア』が幸せならそれでいいんですー…」

(アタシはそれ以外の事は…望まない)

『ねぇ、望みは…』





「んっ…夢?」

テキーラはソファーから体を起こす。

「いつの間に寝ちゃってたのかしら?…それにしても、昔の夢を見るなんて…」

寝起きのボーッとする頭でテキーラは考える。
今テキーラが見ていた夢は子供の頃、師匠であるキャラウェイとの会話だ。

(確か…アタシとあの子が分離して少し経った頃の夢だったわ……あと声が…)

『望みは…何?』

思い返す言葉。

「…カルーアの幸せよ」

テキーラは小さな声で呟いた。






「此処は落ち着くわね…」

テキーラは展望公園に来ていた。
気分がすぐれない時はテキーラはいつも此処に来ていた。


(何で昔の夢なんて見ちゃったのかしら?……しかも、あの時のお師匠様との会話なんて)

テキーラは目を閉じる。


(許されない事よね…アタシがした事は)

テキーラは目を開け、展望公園の中を歩き回る。

「あっ…」

暫く歩き続けていると、木に寄り掛かって寝ている人に出会った。

「…シラナミ」

寝ていたのは自分の彼氏であるカズヤであった。
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