GA

□キズアト
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「テキーラさんから話は聞いてましたが…何処にも異常は無いみたいですね」

此処は医務室。
カズヤはモルデンに体の精密検査を受けていた。

「…ただ、『それ』はナノマシンを使っても消えないでしょうね」

「…やっぱりそうですか」

カズヤは苦笑しながら制服に袖を通す。

「検査結果は私から艦長に伝えておきますよ」

「はい、ありがとうございましたモルデン先生」

そういって、カズヤは医務室を出ていく。



「あー…疲れた」

カズヤは自室に戻り、ベッドに腰掛けため息を吐く。

「検査に1時間以上かかるなんて思わなかったな…まぁしょうがないか」

ウィルとの戦いでカズヤはヘレアからの攻撃で一度死にかけている。
精密検査を受けていた訳は、そのためであった。

「……シャワーでも浴びてサッパリしようかな」

カズヤは立ち上がり、自室にあるシャワー室に入って行った。



一方医務室では…。

「も〜シラナミったら、精密検査終わってるなら言いなさいよね」

テキーラはため息を吐く。

「ははは、一足遅かったみたいですねテキーラさん」

モルデンは可笑しそうに笑う。
テキーラはカズヤが居ると思い、医務室を訪ねていた。しかし、カズヤとは入れ違いになってしまったのだ。

「…それで、先生。シラナミは大丈夫なのかしら?」

テキーラが真面目な顔でモルデンを見つめる。

「ええ、安心してください。シラナミ君の体に異常はありませんよ」

「…よかった」

テキーラは安堵の息を吐く。

「シラナミ君なら、疲れた顔をしてたので自室に居るんじゃないでしょうか?」

「あらそう、じゃあ行ってみようかしらね〜」

そういって、テキーラは医務室を出ていく。

「…あの事は言わないほうが良いでしょうね」

テキーラの背中を見つめモルデンはポツリと呟いた。
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